備中大納言小豆の羊羹 おちあい羊羹
製法へのこだわり
家族総出のようかん作り
その頃から、変わらぬ思いを込めて
「おちあい羊羹」の二代目として、羊羹を作り続けて45年。
父親が昭和20年の終戦後間もなく作り始めた頃は、砂糖がまだ統制品で貴重な時代でした。みんな甘いものに飢えていて、甘ければ甘いほどよろこばれたものです。
当時は、今よりもっと手作業が多かったので、羊羹を作る日は家族総出。5人の兄弟も子どもの頃から自然に手伝っていました。そんな家族の思い出とともに、「甘いもので人を癒し、元気にしたい」という先代からの思いを引き継ぎ、“手づくりのぬくもり”を忘れず一つ一つ丁寧に作っています。
四季を感じながら経験で見極める
人が手をかけてこそ出せる美味しさ
一昼夜、水に浸けておいた小豆を、まずアク抜きします。さらにゆでて、ゆで小豆の出来上がり。これを絞って水分を抜き、大釜に移して攪拌しながら煮ていきます。徐々に小豆の粒がトロリとした状態に。撹拌作業だけは機械を導入しましたが、どこまで練るかは季節や気温によっても変わるので、経験とカンが頼りです。
練り上がったら、成型工程です。
「舟形ようかん」は、冷えるとすぐに固まってくるので、素早く、かつ均一に迷いない手つきで次々に流し入れていきます。
「舟形ようかん」の型は使い込まれた昔ながらの木製。「1個1個が小さい舟形ようかんは、金属製の型だと熱い液を流したとき蒸気が上がりすぎ、乾きが悪くなるんでコレを使い続けてます」
「棒ようかん」の場合は専用の充填機で、袋に流し込んで固めます。この方法では、固まる間に空気に触れないため糖化はありません。また、日持ちがよくなり、賞味期限は180日となっています。
「巾着羊羹」と「黒豆棒羊羹」は、金属の箱に流し込んで固めます。舟形ようかんと同様、空気に触れた表面は糖化します。